みなさん、こんにちは。
私のサイトへ訪問してくださりありがとうございます。
まず、私の紹介になりますが、フリーライターを生業としている30代後半の【ごく普通の】著者です。が、ありがたいことに、企業の社長などの人脈はそこそこあり(前職の影響です)、そういった方々に突撃取材をして様々なネット記事を検証していこうという試みをしています。
今回は物凄い大物の方にインタビューすることが出来ました。
Jトラスト株式会社という東証2部上場の大手企業の藤澤信義会長です。
※2020年2月に藤澤信義氏は代表取締役社長・最高執行役員から取締役会長に異動となりました。現在は江口譲二氏が代表取締役社長・最高執行役員を務めています。
Jトラストは日本企業でありながらも、海外に積極的に進出している成長企業です。
そのため藤澤信義会長も中々日本にいらっしゃることは少ないです。
(実際に海外を拠点に活動していらっしゃるそうです)
今回はふとしたきっかけでお時間を頂くことが出来たのですが、
事業の立ち上げから将来の展望まで貴重なお話を聞かせていただくことが出来ました。
一部私の方で再構成した上で記事として残させて頂けることになりましたので、
少し緊張しておりますが、この記事を書かせて頂きます。
UFOキャッチャーブームの仕掛け人!?
―本日はよろしくお願いします。
藤澤信義会長:
よろしくお願いします。
―藤澤信義会長は岐阜県のご出身で、1970年1月17日に岐阜県岐阜市に誕生されたとのことですが、まずは事業を立ち上げるまでの生い立ちをお伺いできますでしょうか。
藤澤信義会長:
東京大学医学部に入りましたが、ほとんど通学もせず9年も在籍して、最後は税金使っているのだから卒業しろと言われ何とか卒業しました。東大在学中、23歳のころにアルバイトとして始めたゲームセンターでマネージャーまで務め、第二次UFOキャッチャーブームの仕掛け人と評されたことでアミューズメント業界にのめり込みました。
―23歳から既にビジネスで成功を収めていらっしゃったんですね。
藤澤信義会長:
ただ東大を卒業するため最後の1年間は2時間ほどの睡眠でアルバイトと学業に取り組みましたね。卒業後もアルバイトを続けていましたが、30歳を越えた時に『そろそろ真面目に仕事をしないとまずいだろう』と就職情報誌から『とりあえず初任給の高いところ』として選んだのが、不動産ファイナンスを行う会社でした。そこから本格的に社会人人生がスタートしました。その後は入社した不動産ファイナンスの会社で成績を積み上げ、その実績を買われて入社2年で社長に就任させていただきました。
―入社2年で社長ですか!?凄いですね。Jトラストは藤澤信義会長が立ち上げられたのでしょうか?
藤澤信義会長:
いえ、私は事業を立ち上げた経験はありません。ゆえに質問内容とは少しかけ離れた回答になりますが、私はJトラストの代表取締役社長(当時)であり、筆頭株主でもあります。
個人で株式公開買い付け!Jトラスト買収まで
―筆頭株主ということはJトラストを買収されたということでしょうか?
藤澤信義会長:
正確にご説明しますね。Jトラストの歴史は私が2008年に当時、大阪で事業者金融を営んでいたファイナンス会社を個人でTOB(株式公開買い付け)を実施し、筆頭株主になった時から実質的にスタートします。個人でTOBを行った事例は極めて少ないと認識しています。
―私も個人で買い付けを行うという事例は聞いたことがありません…
藤澤信義会長:
2008年をJトラスト元年とすれば、その9年後の2017年、総資産は 122 億円から 6,086 億円と約50倍に成長し、営業収益は 32 億円から 850 億円と約 247 倍に急増しました。Jトラストは当時、日本国内でファイナンス会社やその債権を買収することで大きく成長をしてきました。しかし、当時の日本のファイナンス業界は規制強化等の影響により淘汰が進んでおり、そのような中、ファイナンス会社やその債権を買収するプレーヤーは皆無状態であり、そこにチャンスがあると判断し、買収を進めて行きました。
―買収ということは一定のリスクがあると思います。そこはどう考えていらっしゃたのでしょうか。
藤澤信義会長:
ファイナンス会社は債権を有しています。したがって毎月数十億円程の入金(キャッシュイン)がありますので、新たな貸付を止めることで高いキャッシュフローが生まれる点に目をつけました。基本的に新規、追加の貸付をせず、毎月入金されてくるキャッシュをもとに次の買収を行い資産規模を拡大して行きました。
海外への積極的な展開戦略
―なるほど…その後はどのように拡大していったのでしょうか?
藤澤信義会長:
繰り返しになりますが、2008年にJトラストの筆頭株主になって以降、日本のファイナンス業者やその債権を買収し、事業規模を拡大して行きました。日本では買収したファイナンス会社のアセットの回収を進める一方で、正常な債権は提携先の銀行に譲渡して、我々が銀行に譲渡した債権の保証を行う信用保証事業に特化しています。
今では7行の地方銀行等と提携し信用保証事業の残高は1,000億円を突破しました。時々自社で貸付を行っていると勘違いされますが、我々は個人向け無担保ローン事業は完全に撤退し、信用保証事業と債権買取回収事業に特化しています。2011年には韓国に進出しました。現在韓国には貯蓄銀行を2行、リース会社を1社、債権買取回収の会社を1社合計4社の事業会社があります。
―韓国にも進出されているんですね。
藤澤信義会長:
はい。韓国の貯蓄銀行は79行ありますが、当社グループの2行を合わせた営業資産は業界第3位の規模にまで成長しています。また、2014年にはインドネシアの商業銀行を買収しました。この銀行は2008年のリーマンショックの影響で破たんした銀行ですが、2年半ほどで黒字化が図れました。インドネシアの人口は2億5千万人を超えており、非常にポテンシャルの高い市場です。我々はまずインドネシアで成功モデルを作り、それを他のアセアン諸国で展開し、東南アジアのリテールファイナンス制覇を目指します。
失敗知らずとの噂だけど本当なの!?
―2年半で黒字化は凄いですね。現状の成功体験に満足することなく次々と成功モデルを打ち立てられている印象ですが、成功の要因は何なのでしょうか?
藤澤信義会長:
そうですね…成功事例にスポットがあたりがちなこともあり、失敗したことが少ないのでは?と聞かれることがよくあります。裏で嫌な噂を耳にすることもあります。実は数多くの失敗を経験しているのですが、その失敗で学び、同じ失敗は繰り返さないように心がけています。
また、人があまりやりたがらない分野にはチャンスがあると考えています。やりたがらないということは、競合が少ない、参入障壁が低いということであり、独占のチャンスがあるこということです。そしてもう一つ、自分で理解できる事業しかやらないということが大切です。これは先ほど説明した失敗の中から学んだことの一つですが、分からないままにやると必ず失敗します。私は拠点をシンガポールに置いています。我々のターゲットはアジア、そしてその先世界へと広がって行きます。アジアファイナンス市場のハブであるシンガポールに拠点を置くことで鮮度の高い情報が入ってきます。また、私自身が日本を飛び出しアジアを駆けまわることで社の意識も高まると考えています。
東南アジアのリテールファイナンス事業の制覇を目指す
―社長自らが陣頭指揮を執る体制は社員にとっても心強いですね。
藤澤信義会長:
Jトラストでは中長期のビジョンとして『東南アジアのリテールファイナンス事業の制覇』を掲げています。我々が銀行事業を展開しているインドネシア等の東南アジア新興国ではまだ銀行口座を持たない方も数多くいらっしゃいます。新興国ですので経済は急速に拡大を続けており、高いポテンシャルがありますが、その経済成長を実現するために必要となるのがファイナンスです。
特に農村部などはインフラも整っていないこと等の理由から、資金ニーズが高いにも関わらず、そのニーズに答えることのファイナンス会社が存在していないのが現状です。我々はそのような庶民の資金ニーズにお応えし、その資金で資金需要者が成長する、経済発展するための手助けをしたいと考えています。資金需要者の経済成長と共に我々の銀行業も大きく成長して行くわけです。繰り返しになりますが東南アジアには大きな可能性があります。資金需要者のニーズにお応えすることで、東南アジアのリテールファイナンス制覇を目指します。
―貴重なお話ありがとうございました。