フォーバルテレコムの決算情報が発信されました
株式会社フォーバルテレコムから第24期(2019年3月期)第2四半期の決算情報が発信されました。
情報の中には第2四半期の業績をメインとし、他にも第24期下期に向けた取り組みについても公表しています。
今回は気になる株式会社フォーバルテレコムのIR情報を参考に、主力事業とその他の事業の売上・利益、今後の事業展開に関する見通しまで考察していきたいと思います。
フォーバルテレコムの売上や信頼性を評価したいという方は、ぜひ参考にしてみてください。
主力事業と売上、利益に関する説明
まずは主力事業と売上、利益に関する部分からご紹介していきます。
そもそもフォーバルテレコムの事業は主にIP&モバイルソリューション事業とドキュメント・ソリューション事業、コンサルティング事業の3つに分かれています。
この3つの中でフォーバルテレコムの主力となっているのが、IP&モバイルソリューション事業です。
IP&モバイルソリューション事業では、NTT東日本・西日本の光コラボである「iSmartひかり」や、スマホでの通話が内線電話に変わるIP総合ソリューションの「i-Techmo」、iSmartひかり専用の法人向け電話サービス「AmaVo」、新電力サービスの「Elenova」などがあります。
これらの事業は個人市場・法人市場の両方で展開しており、一つひとつから全体的な利用にコンサルティングしていく流れも作っています。
例えば、個人向けであればまずはiSmartひかりでネット回線をつなげ、そこからお得な新電力サービスを紹介するということが可能です。
フォーバルテレコムは、様々なIPとモバイル関連の事業を展開することで、多くの方が一つひとつのサービスを利用するのではなく、一貫したサービス提供ができるようにしているのです。
そんなIP&モバイルソリューション事業の売上を見てみると、売上高は前年比より825百万円プラスの6,383百万円となっていました。
売上総利益率も前年比より0.4ポイントアップしているため、主力事業の売上は比較的好調と言えます。
ただし、今回は経費が前年同期より約300百万円も高くなってしまいました。
そのためセグメント利益は137百万円で前年より15.5%の減益となっています。
今回経費が増えた理由として、主力事業の中で販売費用やコールセンターなどの管理費用の増加などを挙げています。
コールセンターなどの管理費用は、顧客の満足度を高めるために必要な経費でもあるため、今後経費をかけた分の良い影響が出ることも期待できるでしょう。
その他の事業と売上、利益に関する説明
続いてその他の事業を見ていきます。
最初に、ドキュメント・ソリューション事業について見ていきましょう。
ドキュメント・ソリューション事業では、フォーバルテレコムのグループ会社である株式会社トライ・エックスやタクトシステム株式会社が行う事業が含まれています。
トライ・エックスではオンデマンドでのプリントサービスを主力事業として展開しています。
また、事業所内にプリンティングセンターを解説するというBPOサービスも行っています。
タクトシステムでは、カタログやパンフレットなどのプランニングから制作、印刷に至るまでを実施していたり、WEBサイトの制作やスクリプト開発、RPAなど、幅広いIT事業を手掛けている会社です。
2社の売上高を見ると、819百万円の利益を出しており、前年比2.2%の増加となりました。
ほぼ横ばいに推移していると言えるでしょう。
売上総利益率は、前年同期より4.0ポイント高い32.7%となっています。
セグメント利益は46百万円で、前年よりも大幅にアップしています。
前年度のセグメント利益に比べて大きく増加した点として、新規案件獲得に力を入れていたことが理由として挙げられていました。
さらに、受注数を継続的に伸ばすことができたという点も売上高アップにつながった理由として挙げています。
オンデマンド印刷やカタログ・パンフレット・WEBサイト制作などは競合他社が多く、事業的にも埋もれてしまいやすい中でしっかりと利益を上げられているのは高評価につながるでしょう。
もう一つのコンサルティング事業は、グループ会社である株式会社保険ステーションの事業になります。
名前の通り生命保険・損害保険に関してのコンサルティングを実施しており、法人個人問わずその人に適した保険の紹介・相談に応じています。
保険ステーションの支店は全国各地に設置されており、その数は47ヶ所にも及んでいます。
コンサルティング事業の売上高を見てみると、1,370百万円で前年同期より161百万円増加していることが分かりました。
また、売上総利益率も他事業と比較して最も高い4.8ポイント増加の48.4%となっています。
経費も増加しているものの、売上総利益が高かったため、セグメント利益は147百万円となりました。
今回の増収増益は、店舗を譲り受けて新たにオープンさせて利益を伸ばしたこと、そしてシステムを販売し店舗運営をサポートしたことなどが増収増益につながっています。
今後の事業展開に関する見通し
今後の事業展開に関しての見通しについても考察していきます。
まずは主力事業のIP&モバイルソリューション事業から見ていきましょう。
第24期下期の取り組みとして、それぞれのサービスにおいて新たな戦略プランが立てられています。
例えば、「2waySmart」というスマートフォンを社外用・社内用の電話として利用できるようになるサービスがあります。
これは2010年からリリースが開始されたもので、固定電話が不要になるため経費削減にもつながると好評のサービスです。
基本的には社内で使う時は内線電話に切り替わり、外で使う時は普通の携帯電話として使えるというものだったのですが、2019年3月期に新たにリリースされる「どこでもホン」というサービスによって、社外であっても内線電話を受け取れるようになったり、社外から代表電話への発電が可能となりました。
つまり、会社宛の電話が社外にいても受け取れるということになります。
その他にも、どこでもホンは電話帳を別々に表示させたり、内線一覧を表示する機能、着信拒否の機能が備わりました。
また、これまで2waySmartでは3G回線の着信時は強制的に保留となっていたものが、どこでもホンなら通話を継続し割り込みにも応答できるようにしています。
より便利に、より使い勝手が良くなってリリースされるため、来期以降の主力事業の動きも注目していきたいところです。
また、コンサルティング事業においても今回の売上にも反映されていましたが、保険ショップの譲り受けが行われました。
2017年に2店舗、2018年に2店舗の実績を持っています。
いずれも近畿地方の大型ショッピングモールの中に設置されており、来客数の多さに期待できます。
譲り受けなら一から新規出店するよりもコスト削減につながるため、利益アップにつながりやすいです。
多様なライフスタイルから保険ショップの需要は今後も高いままだと予測できるため、コンサルティング事業の売上にも期待できるでしょう。
ドキュメント・ソリューション事業に関しては、タクトシステムで2018年11月から商品カタログの価格改定・修正作業を一括で行えるスクリプト開発の提供を行っています。
2019年は10月に消費税の改定が予定されており、商品カタログにおいても全ての価格改定を実施しなくてはなりません。
タクトシステムでは自動でまとめて一括できるスクリプトの開発を実施しているため、手間をかけずに商品カタログの修正作業が行えるでしょう。
こうした時代に合わせた取り組みを実施しており、2019年の売上にも期待できます。
総評
フォーバルテレコムは中小企業向けのIP&モバイルソリューション事業をメインに、グループ会社でオンデマンド印刷やカタログ制作・スクリプト開発、保険コンサルティング事業も展開しています。
第24期第2四半期の売上は比較的堅調な推移となっており、順調な動きを見せています。
今後は主力事業でこれまでのサービスをパワーアップさせた新たなサービスをリリースする予定となっています。
新サービスが売上に影響するのはまだまだ先だと考えられますが、将来的に期待できる部分は大きいでしょう。
また、グループ会社で取り組んでいるその他の事業に関しても、売上を伸ばしているため、来期も増加の推移を維持できるのではないでしょうか。
付属資料として記載されていた比較連結貸借対照表でも、資産合計が2018年9月末現在で11,559百万円と悪い数字ではありません。
今後もフォーバルテレコムの経営状況に注目していきましょう。