投資には様々な種類があり、それぞれ利回りも異なります。
中でも不動産投資は利回りが良いと人気が集まりやすい傾向になります。
ただ、利回りが良いとは言え、エリアや物件の状態、空室状況に応じて利回りの幅は大きく変わります。
これから不動産を所得する人は利回りの良い物件を探せば良いのですが、現在不動産投資を運用している方はどう利回りを上げていけば良いのでしょうか?
目次
■なぜ不動産は利回りが高いのか?
投資と言うと株式投資をイメージする人が多いでしょう。
株式投資の場合、東証一部に上場する銘柄であれば利回りは2%前後が平均です。
不動産投資は5~10%と幅は広いものの、株式投資よりも高いことが分かるでしょう。
株式の配当は企業が出す利益の一部が投資家に分配されるものなので、直接的な利益が得られるわけではありません。
企業の利益は設備投資や会社の貯金に回されることもあり、余りの資金が還元されるので利回りは低くなってしまうのです。
一方、不動産投資は物件や部屋を第三者に貸し、直接利益を家賃収入として得られるため、株式や国債に比べて利回りが良くなります。
さらに、不動産を取得する際に金融機関で融資が受けられれば、自己資金以上の資金を手に入れることが可能です。
手元資金は収益額とも関わりが深いので、この点も利回りの高さにつながっています。
■古い物件や中古物件は利回りに注意
不動産投資をする際に、取得費用が安いからと築年数が経つ中古物件を取得された方も多いでしょう。
大まかな利回りは「年間の家賃収入÷物件取得費×100倍」で算出することが可能です。
例えば、全10部屋のマンションで家賃が5万円、物件取得費が1億円だとします。
この場合、年間収入600万円を購入費1億円で割ると0.06になるので、さらに100倍にすると6%と算出されます。
つまり、上記の例は利回り6%となりますが、これは諸経費を計上していない上での表面利回りです。
不動産投資では管理費、火災保険料、修繕費、固定資産税、不動産仲介手数料といったランニングコストが発生します。
中でも築年数が経つ物件は修繕が必要であり、実質の修繕費は運用してみないと何とも言えません。
購入価格が抑えられれば利回りは上がりますが、修繕費などランニングコストがかかれば利回りが低くなることを理解しておきましょう。
■地方も実質利回りが低い傾向にある
地方は都市部に比べて物件の取得費が安いため、表面利回りが高い傾向にあります。
しかし、家賃相場が低めで、エリアによっては都市部よりも需要が下がり、空室が目立ち利回りが悪い状況が続く可能性があります。
入居者を募るためには広告費をかける必要がありますが、実は首都圏よりも地方の方が広告費は高い傾向にあります。
このランニングコストが利回りの低さにつながっていると考えられます。
また、地方企業や大学の入学に頼って不動産投資を始めた場合、会社の倒産や移転、リストラ、卒業による転居といった潜在的リスクが潜む可能性があるでしょう。
地方での運用は厳しいものとなるので、コストダウンや潜在的リスクに対する対策が求められます。
地方で不動産投資をしている場合は利益よりも、いかに安定した運用ができるかどうかが焦点になります。
■利回りの改善はリフォームやリノベーションが最適
コストはかかりますが、すでに取得している不動産の利回りを上げたいのであれば、リフォームやリノベーションがおすすめです。
リフォームやリノベーションで部屋の雰囲気を変えたり、新しい設備を導入したりすることで、入居者が集まりやすく、退去しにくい物件に改善することが可能です。
とにかく空室をできる限り出さないことが、利回りの改善に必要です。
それぞれメリットとデメリットがあるので見てみましょう。
・リフォームのメリット、デメリット
リフォームとは経年劣化で傷んだ壁や床、設備などを変える工事を指し、原状回復に近いです。
表面的な修繕工事となるので、リノベーションに比べてコストは安価で、工事期間も短期間で済ませられます。
そのため、空室期間も最低限で済ませられることがメリットでしょう。
一方、表面を直すだけなので付加価値を付けにくいデメリットがあります。
築年数に比べて綺麗で管理がしっかりしているという点はアピールポイントになるでしょう。
・リノベーションのメリット、デメリット
構造だけを残し、建物の間取りや仕様を全て変えてしまうのがリノベーションです。
今までと違った物件に生まれ変わるので、新しい付加価値を付帯できるメリットがあり、資産価値の向上につながります。
間取りを自由に設計し直せるので、不満だった点を改善することが可能です。
工事の範囲が広いのでコストが高くなり、工期も長いので空室期間も長くなるでしょう。
付加価値を加えることで家賃の値上げることができ、利回りの改善に期待できます。
不動産投資の利回りはリフォームやリノベーションで改善されることがあります。
かかるコストやメリット・デメリットは異なるので、自分の不動産にはどれが適しているのか十分に考えて検討しなければなりません。
個人での判断は難しい場合は、専門家の意見を聞くことも大事です。
他にも所得税の節税や退去率を上げない工夫も利回りを上げるポイントとなります。