今回はTATERU(タテル)の株を買うタイミングについてご紹介していきます。
TATERU(タテル)は2018年下半期から株価が下落し始め、2019年3月7日現在の終値は239円です。
下落が続いているTATERU(タテル)の株は今、買うべきなのでしょうか?
今回はTATERU(タテル)の決算報告書やテクニカル・ファンダメンタルズ分析から分かることを考察していき、株を買うのは今なのか、それとももう少し先にした方が良いのかを検証していきます。
また、昨年のデータ不正改ざん問題についても簡単に振り返っているので、どんな部分が問題だったのか、現在はどのような対応策を講じているかなどについてもご紹介していきたいと思います。
TATERU(タテル)の株に注目しているが、買うタイミングが分からないという方から、TATERU(タテル)の株価予想が気になるという方も、ぜひ今回の記事を参考にしてみてください。
目次
2018年12月期の決算情報を分析
最初に、TATERU(タテル)の2018年12月期の決算情報の分析からしていきましょう。
決算情報は、その会社の状況を知るためにとても重要なポイントになります。
そのため、株を購入する際の指標の1つになるのです。
では、TATERU(タテル)から発表された2018年12月期の決算情報の分析をしていきます。
売上増、利益減の結果に
TATERU(タテル)の2018年12月期の決算情報からは、前年の同じ時期と比べて売上高が118.1%、営業利益が12.2%となっています。
下のグラフをご覧ください。
また、連結貸借対照表を見ると、流動資産の一部である棚卸資産は、前年より9,702百万増加しています。
これは、受注取り消し案件による土地の買取が増加したことや引き渡し遅延が増加したこと、TATERU Fundingの新規ファンド中止による増加が理由だと考えられるでしょう。
棚卸資産は、将来的に販売などを行うために保有している資産のことで、今後販売される予定のものになります。
TATERU(タテル)の負債・純資産も前年より10,584百万円増加しています。
これは、海外募集の新株発行や当期純利益を計上したことによる増加です。
海外募集の新株発行による資本金や資本金剰余金は、132億円の増加になっています。
営業利益が大きく減少したとはいえ、黒字決算です。
TATERU(タテル)が成長している理由
不動産業界の中でもTATERU(タテル)はかなり急成長を見せている会社の1つだと考えられます。
なぜこれほどまでに成長をしているのでしょうか?
それには、TATERU(タテル)が手掛けている事業が関係していると考えることができます。
TATERU(タテル)では、アパート経営のプラットフォーム事業であるTATERU Apartment(タテルアパートメント)、クラウドファンディング事業のTATERU Funding(タテルファンディング)、民泊事業であるTATERU bnb(タテルビーアンドビー)を展開し、不動産ポータルサイトTATERU Buy-Sell(タテルバイセル)といったリアルエステートテック事業を行っています。
それだけではなく、IoT事業としてRobot Home(ロボットホーム)やApartment kit(アパートメントキット)の開発も行っているため、これからの時代に適した事業も展開していると言えます。
IoT事業では、IoTデバイスやオーナー向けアプリ、不動産管理会社ツール等の開発、ビッグデータ事業を行っています。
近年、IT化が進んだことによってIoTを活用する場が増えてきました。
それをいち早く賃貸物件に導入し始めたのがTATERU(タテル)ということになるでしょう。
なぜTATERU(タテル)のサービスを利用したいと思うのか
決算情報からは、売上が伸びていることが分かります。
売上が伸びているということは、それだけ需要があるということになります。
ではなぜTATERU(タテル)の技術やデザインを採用したアパートを利用したいと思うのでしょうか。
それにはいくつかの理由が考えられるので、見ていきましょう。
1つ目の理由は、サービスが非常に使いやすいということです。
TATERU(タテル)では、入居前からそれぞれのIoT機器を連動させているため、入居したらすぐに使うことができます。
設定もメールアドレスとパスワードを登録するだけなのでとても簡単です。
2つ目の理由は、セキュリティが非常に優れているということです。
TATERU(タテル)が提供する物件のセキュリティ対策は、Apartment kitによって万全の体制になっています。
窓の開閉やガラス割り、玄関の不正解錠など様々なトラブルを察知し、状況によっては警察への連絡もしてくれるので、留守にしている間も安心です。
これは、入居者にとって大きなメリットになるため、需要は高いと言えます。
3つ目の理由は、利便性が非常に高いということです。
TATERU(タテル)の物件は、スマートスピーカーを導入しているため、対応していれば音声で家電のコントロールができます。
外出する際に玄関で「全ての電源を落としたかな…?」と心配になってしまうという悩みも、この音声コントロールを用いることで解消されます。
全てのスイッチを手動で一つずつ消さなくても、音声で一括コントロールができるからです。
TATERU(タテル)の業績が伸びているのは、このようにニーズに合わせたサービスを提供できているからだと考えられるでしょう。
改ざん問題について簡単に振り返り
TATERU(タテル)は、顧客の預金残高を改ざんするという不正を行ってしまいました。
今回の不正は、顧客の預金残高を改ざんした額を金融機関に提出し、融資の審査を通りやすくしたというものです。
この不正に対してTATERU(タテル)は、特別調査委員会を設置し、調査を行いました。
また、以下のような再発防止策を講じることにしたようです。
では、これらの再発防止策について詳しく見ていきましょう。
事務課を新設し、契約の適合性手続きを厳格化する
これまでTATERU(タテル)では、事務課というものがありませんでした。
そのため、営業以外が確認できない部分があったということになります。
しかし、事務課を新設することによって、エビデンスの原本確認や購入意思の確認、内容の確認、金融機関に提出する書類の事前原本確認などを厳密に行えるようになるのです。
つまり、不正ができないような体制を整えるということになるでしょう。
今回の不正は、契約時から始まったと言っても過言ではないので、このようにしっかりと手続きを厳格化させることは不正の再発防止には必要な対策です。
特に今回のようなケースは、手続きを何重にも、かつ独立性を持った部署が担当することで防ぐことができると考えられるため、特に有効な対策だと言えるのではないでしょうか?
内部通報制度を充実させる
これまでは、コンプライアンスラインや、内部通報制度も曖昧なものだったのでしょう。
今回の不正をきっかけに、内部通報制度の充実化も図っています。
独立した通報窓口を設け社外からの通報を受け入れやすくすることはもちろんですが、社内通報窓口も設けることによって、TATERU(タテル)グループに就労している人からの通報も受け入れやすくする体制を整えました。
このため、何かあった場合の社内通報がしやすくなり、不正を未然に防げる可能性も高まるということになります。
今回の不正でも、気が付いていたけれど内部通報できなかったという人もいるでしょう。
内部通報をするというのは、状況によっては非常に難しいというケースもあります。
しかし、内部通報制度が充実することによって、そのような状況を打破することができます。
つまり、不正につながる事を通報しやすくなるということです。
これも、不正を防ぐためにはとても大きな役割を担う対策となります。
コンプライアンス統括本部を新設
そしてTATERU(タテル)では、コンプライアンス統括本部の新設も行いました。
コンプライアンス統括本部には、コンプライアンス統括本部長と社外コンプライアンス顧問が在籍し、内部監査室やコンプライアンス委員会、リスク管理委員会などと連携しながら、協議を行っていきます。
これにより、今まで以上にコンプライアンスが遵守される体制が整ったということになるでしょう。
コンプライアンスが遵守されている会社では、不正が起こる可能性が大幅に下がります。
そのため、コンプライアンス統括本部を新設することも有効な手段だと言えるのです。
不正はどこの会社にも起こる可能性があります。
しかし、それに対してしっかりと対策ができるかできないかによって、その会社の将来は決まります。TATERU(タテル)のようにきちんとした対策を講じられる会社の場合は、不正発覚後に持ち直せる可能性が高いと思います。
今後の成長性についてテクニカル・ファンダメンタルズ分析してみた
今後の成長性を知るために、テクニカル分析とファンダメンタルズ分析を行ってみました。
どのような結果が出たのか、チェックしてみましょう。
TATERU(タテル)株価のテクニカル分析
テクニカル分析は業績等を考慮していないため、一時的な指標でしかないことを前提にしておくべきです。
記事を執筆した3月7日時点で売りがやや強い状態です。
株価が下がってる状態が続いてますので、底値が見えてきている可能性が考えられます。
過去10日間に渡って買いと売りが拮抗する形が続いていましたが、どうやらここに来て売られ過ぎ感が強くなってきてるようです。
TATERU(タテル)株価のファンダメンタルズ分析
今回はQuickMoneyWorldで、TATERUについてファンダメンタルズ分析していこうと思います。
最新の決算を踏まえ、成長性と収益性が大きく下がっています。
また業績対比で割高感が強くなっていますが、これはPERが大きく影響してると思われます。
TATERU(タテル)は再建に向けて、財務体質を強化してる段階ですので、利益は圧縮され、PERは悪化するものです。
この指標は一時的なものなので、企業の潜在的価値を考えないと誤った判断につながるので注意が必要です。
業績が回復すればあっという間に株価が上がり、買い時を逃すことになります。
TATERU(タテル)の株価はどう評価されている?
TATERU(タテル)の株価について多くの意見が掲示板やSNSでも見られています。
どのような評価を受けているのか、見てみましょう。
タテルやレオパレスも落ち着いてきて、
レオパレスなどは徐々に株価が切り上がってきて277円まできてる。
そろそろ、タテルも来てもおかしくない、この頃だね。
レオパレスでは大量の物件が建築基準法で定めている規定に満たしていないということが発覚し、問題となっています。
この報道がきっかけとなり、2月7日時点で515円だった株価は、底値201円にまで下落しています。
しかし、2月25日から徐々に株価が上昇し始め、3月4日終値は272円となりました。
徐々に上がり始めているレオパレスの株価は現在反発の影響を受けている状態です。
TATERU(タテル)に関しても、現在は底値近い数字になっていますが、今後は買い傾向が見られて上昇することも十分に考えられます。
スルガ銀行、レオパ リバウンドした、次はTATERU
スルガ銀行はシェアハウス「かぼちゃの馬車」の件で一時期問題になり、一部業務停止を受けてしまったことで話題になりました。
問題発覚後は株価も大暴落を起こしたことはまだ記憶に新しいという方もいらっしゃるでしょう。
そんなスルガ銀行の株価も年末の安値から徐々に上昇していき、3月4日の終値は535円にまで戻しています。
そのため、反発を期待する声は少なからず上がっているようです。
信用買いが積みあがってる為、短期では下落。信用買いが減ってくればじりじり上昇すると予想。業績については、tateruの問題がレオパルド21の騒動によって影に隠れてしまった為、忘れ去られるのが早まったのが良い影響を与えるだろう。民泊事業のtateru bnbは黒字化し、今後も成長を見込めるのでここにリソースを割くべき。
引用元:https://minkabu.jp/stock/1435/pick/10000000002298768
TATERU(タテル)の場合、事業展開は賃貸アパートの運営・管理だけではありません。
現在、インバウンド効果が期待されている民泊事業も手掛けています。
しかし、データ改ざん問題の一件でアパート運営・管理事業ばかりが注目されていました。
高い収益力を誇っていたのは、こういったアパート運営・管理以外の事業による力が大きいと考えられます。
また、この口コミにもあるように信用買いが減ってくると少しずつ上昇する可能性は期待できます。
TATERU(タテル)の株を買うのは今?それとも、もう少し先?
ここまで決算情報やテクニカル分析、ファンダメンタルズ分析を行い、意見なども参考にしてきましたが、結果的にTATERU(タテル)の株は今買った方が良いのでしょうか?
それとももう少し先にしておいた方が良いのでしょうか?
株価だけを見るとかなり下落していて底値付近であることが分かります。
事業自体はIoTアパートの運営・管理事業以外の部分で黒字転換や企画の実施を進めています。
今後の業績がどう推移するのかといった不安さえクリアできれば、株価は上昇していくことでしょう。
つまり、今後株価は上昇する可能性が高いと言えます。
特に3月末には株主総会が控えています。
株主総会後に再び株価が上昇する可能性もあるので、株主総会前に株価をチェックしておき、底値に近い数字であれば買ってみても良いでしょう。
TATERU(タテル)の株主総会ではデータ改ざん問題について言及される可能性が高いですが、IRでは既に対策を公開しており、今後はIoTアパート運営・管理事業も本格的な復帰を果たすことでしょう。
そこで多くの方が不安に思うのは、再び不正を行うのではないかという懸念です。
一度不正を引き起こした会社を立て直すことはとても大変なことです。
そのため、不正を行っていた環境がなかなか改善されず、再び不正を行ってしまうのではないか?と感じてしまう方もいらっしゃるでしょう。
TATERU(タテル)の場合、上記でもご紹介した通りコンプライアンス統括本部を設置し、これまで以上にコンプライアンスが遵守されていくと考えられます。
また、Diginexとブロックチェーン技術を活用したデータ改ざん防止システムの共同開発を行うことを明らかにしています。
データ改ざん防止システムは、TATERU(タテル)だけでなく他の企業や他業種にも活用できるシステムとなっているそうなので、将来的に需要の高いシステムになり得るのではないかと考えられます。
不正問題が発覚し株価が底値近い状態になっても、諦めずにチャンスへと変えていく姿勢は、これまでのリーマンショックなどでの経験が積み上がった結果だと言えるでしょう。
TATERU(タテル)は今後株価上昇する期待感が強い銘柄です。
ぜひ今のうちから株価などをチェックしておき、ここぞという時に買える準備をしてみてはいかがでしょうか?