皆さんは、TATERU(タテル)という会社が起こした顧客の預金データ改ざん問題について知っていますか?
きっとこの記事を読んでいる方は、TATERU(タテル)の株に興味を持っているはずなので、知っている人の方が多いでしょう。
TATERU(タテル)は、2010年頃から一部の社員が常習的に顧客の預金データを改ざんしていたということが明らかになりました。預金データ改ざん問題というのは、顧客の預金データを水増しして、融資を受けやすくするというものです。
なぜ発覚したのかというと、ある1人の男性が自身の融資審査書類のデータ開示を求めたからです。
TATERU(タテル)はすぐに事実を認め、これをきっかけに特別調査委員会を設置することが決まり、問題の解決に向けて動き出しました。
特別調査委員会では、再発防止策を提示し、これからのTATERU(タテル)がどのように信頼を取り戻していくべきなのかを提案しました。
その中で、同じような不正が起こらないようにするために業務フローの改善などの再発防止策を掲げたのです。
今回は、そんなTATERU(タテル)の預金データ改ざん問題はどのようなものなのか、再発防止策はどうなっているのか、現在の株価は底値なのか、不祥事を起こした株を買うのはアリなのかナシなのかについて説明していきましょう。
目次
TATERU(タテル)の預金データ改ざん問題とその後の値動き
TATERU(タテル)は、不動産業界に新たなビジネスモデルを取り入れ、大きな注目を集めた会社です。
しかし、顧客の預金データ改ざんという問題を起こしてしまいました。
TATERU(タテル)の預金データ改ざん問題について、知っているという人も少なくないはずです。
まずは、そんなTATERU(タテル)の預金データ改ざん問題がどのような問題だったのかを再確認し、問題が起こった後の株の値動きについて見ていきましょう。
TATERU(タテル)の預金データ改ざん問題とは?
TATERU(タテル)の預金データ改ざん問題は、2010年頃から常習的に行われていたということが判明しています。
なぜ改ざんを行うようになったのかというと、顧客の融資審査を通りやすくするためだったそうです。
2014年頃には、社内の会議で改ざんを止めるようにという通告もありました。
しかし、会議で出された通告は営業部長のみにされたため、一部の社員は改ざんを止めなかったそうです。
さらに2018年2月には、顧客から改ざんを指摘されています。
この時は、融資の申請をする際のエビデンスの改ざんがあったという書簡をTATERU(タテル)が受領していますが、営業本部長が個別対処しただけで、調査が行われることはありませんでした。
そして2018年にTATERU(タテル)の預金データ改ざん問題が公になる出来事がありました。
その出来事というのは、東京都内に暮らしている50代の男性にTATERU(タテル)が物件を紹介し、自己資金がなくてもアパート経営ができると提案したことがきっかけになりました。
自己資金がなくても銀行の融資を受ければ大丈夫だと言うことに不信感を抱いた男性は、融資先の西京銀行にデータの開示を求めたのです。
すると、そこには23万円だった預金残高が623万円まで水増しされた数字が記載されていました。
改ざんをしていたという事実はその後日経新聞に掲載され、TATERU(タテル)がデータを改ざんしていたということが世間に広まりました。
そのような状況になったことを受けたTATERU(タテル)は、報道の内容が事実であることを認めて2018年9月に特別調査委員会を設置し、すぐに再発防止策を発表しました。
3ヵ月後の12月には、特別調査委員会の調査結果報告も提出されており、再発防止策も一定の評価を得ているので、問題が発覚してからはしっかりと対応したのではないかと考えられます。
預金データ改ざん問題発覚後、TATERU(タテル)の株価はどうなった?
預金データ改ざん問題が発覚し、決算資料が発表されてからTATERU(タテル)の株価は大幅に下落しました。
株価が下落したことによって、大きな影響を受けた投資家も少なくはないでしょう。
そんな中で、株主優待がどうなるかを様子見していた投資家もいます。
株主優待を期待して株式投資を行っている株主にとっては、重要なポイントなのでどうなるのか気になるという株主も少なくなかったはずです。
現在も継続していく方向性のようですが、経営状況によってはいずれなくなってしまう可能性もあるので、IR情報などをこまめにチェックしていたという株主もいます。
そんなTATERU(タテル)の株価は、今後もさらに下がってしまう可能性があります。
問題が発覚したばかりのころから比べればだいぶ持ち直していますが、まだ油断はできないでしょう。
再発防止策を実行することによって、業績が戻ってくる可能性ももちろんあります。
そのような場合は、TATERU(タテル)への投資を再度検討したいと思う投資家もいるはずです。
現状では、余計なストレスを抱え込まないためにもTATERU(タテル)への投資を控えるという投資家もいるのではないかと予想できます。
再発防止策と2018年12月期決算、それに対する市場の反応
TATERU(タテル)は、顧客の預金データ改ざんという大きな問題を起こしてしまいました。
その問題に対する再発防止策や2018年12月期決算の状況、市場の反応はどうだったのかを見ていくことにしましょう。
TATERU(タテル)が打ち出した再発防止策とは
TATERU(タテル)は、3ヶ月間の調査期間でどのような再発防止策が有効かを考え、実行するという目的を持っていました。
その中で、業務フローを変更することや契約適合性手続きを厳格化すること、業務モニタリングを行うこと、コンプライアンス遵守体制の見直しを行うこと、内部通報制度を充実させることなどを再発防止策に盛り込みました。
それぞれの内容について、見ていきましょう。
①業務フローを変更すること
業務フローを変更することによって、これまで見落とされていた部分を再確認できます。
TATERU(タテル)の場合は、営業部が全ての業務を担ってきましたが、融資の流れを営業部が関与しないような業務フローにすることによって、改ざんの原因を1つなくすことができたと言えます。
②契約適合性手続きを厳格化すること
契約適合性手続きを厳格化することで、顧客と売買契約を結ぶ際に、より厳格な確認を行うことになります。
そして、新設された事務課で融資に必要なデータの原本を管理するため、営業部によるデータの改ざんは不可能になるのです。
③業務モニタリングを行うこと
業務モニタリングを行うことで、業務フローの変更や契約適合性手続きを厳格化がしっかりと遵守できているかを確認できます。
このモニタリングを行うために、内部監査室を設置し、改ざんや不正が行われないように随時チェックを行います。
④コンプライアンス遵守体制の見直しを行うこと
コンプライアンス遵守体制の見直しを行うことで、コンプライアンスが何のためにあるのかを社員に周知させ、その重要性を理解できるようにしていく、としています。
また、随時見直しを行うことで、コンプライアンス意識が向上していくことが考えられます。
⑤内部通報制度を充実させること
内部通報制度を充実させることによって、不正や不当行為を告発しやすくします。
それによって、今回起こったようなデータ改ざん問題が再発する可能性を低くできるでしょう。
2018年12月期決算状況
そんなTATERU(タテル)の2018年12月期決算状況はどうなっているのでしょうか。
2018年12月期4Qは、283億3475万円の売上高となっています。図表を見る限り順調に右肩上がりとなっています。
しかし、2018年はデータ改ざん問題が発覚したことで、一時は伸び悩んだ時期もあったようです。
そのため、例年と比べると利益率は低めだったと言えるでしょう。
また成約数も、問題が発覚する直前までは右肩上がりとなっていました。
データ改ざん問題が発覚した後の成約数が少ないのはある意味仕方がないことだと言えます。
図表の数値からは、データ改ざん問題があったからこそ、落ち込んでしまったということが見てとれます。
多くの信頼を損ねてしまったため、それを取り戻すのは容易ではありません。
しかし、きちんとした対応をすれば、信頼は取り戻せるでしょう。
データ改ざん問題に対する市場の反応は?
データ改ざん問題を受けて、株価が暴落したということは前述しました。
このことから、この問題に対する市場の見方は、厳しいものだったと言えるでしょう。
それでも株主の中にはこれからのTATERU(タテル)に期待をしているという人もいます。
これからは、彼らからの信頼を損なわないような姿勢を保ち続けることが重要になると予想できます。
今が底値なのか?SNSや口コミサイトから分析してみた
ここまでTATERU(タテル)の預金データ改ざん問題、再発防止策や決算と市場の反応などについてまとめてきました。
ここからは、SNSなどの意見も参考に今現在の株価が底値なのか分析してみます。
TATERU(タテル)の現在の株価
TATERU(タテル)はデータ改ざん問題が発覚してから、一気に株価を落としてしまい、一度は上がったもののそこからまた少しずつ下落し続けていきました。
しかし、3月11日現在で221円の安値を更新してからは、3月15日に333円の高値を記録しています。
SNSや口コミサイトで見られる株価に対する意見
TATERU(タテル)の株価に対して意見を述べている投稿がいくつか見られます。
それらの中から特に気になるものをピックアップしてご紹介していきましょう。
■レオパレス21
もう少し時間がかかりそう。
今回の件、全て綺麗に吐き出した事を確認できるなら、という所か?
先日、TATERUをあげたが、数字はレオパレスの方が全然良い。
だけどTATERUには出尽くしの底打ち感と値ごろ感、それに将来性が見えていた。
どちらにしても厳しい業界、更に「後の先」で👉— nisai×バリュー株投資 (@nisai77) 2019年3月18日
TATERU(タテル)の株価は3月15日に上昇したものの、再び下落したことからまだまだ上がりにくい銘柄なのかという印象を持った方も多いかと思います。
しかし、現在の株価が底値付近の可能性が高いことや、値段的にも安価で買いやすいこと、そしてIoT×不動産という他には見られない事業展開で将来性が高いことから、そろそろ株価が上がるのではないか?という予想が多く見られます。
もちろん、全てがその通りにいくわけではないのですが、TATERU(タテル)の株価は今でも投資家に注目されており、買い傾向に入る可能性は十分にあります。
他が軒並み劇下げの中、わずかでもプラスはすごい。嵐が過ぎ去ったら急上昇するんじゃないか。
引用元:https://finance.yahoo.co.jp/cm/message/1835618/2cbf9cbe41201ab89304ab3e7bf1a720/105/772
3月25日の東京株式市場は、かなり大きく反落しており、前週末の3月22日の終値に比べると650円23銭安の2万977円11銭で終えました。
これほどの下げ幅は2019年に入ってからは初めてのことであり、終値で2万1000円を切ってしまうのも1ヶ月半ぶりという結果になっています。
大きな下げ幅になった理由としては、世界全体の景気減速に注目した海外投資家たちからの売りが相次いだことが挙げられます。
3月25日は東証一部の33業種のほとんどが下落相場になってしまい、中には20%近い下落率となってしまった銘柄もあったのですが、TATERU(タテル)の終値を見ると255円で前日比-2円(-0.78%)となりました。
相場全体が大きく下落していたにも関わらず下げ幅が少ないのは、TATERU(タテル)自体に多くの投資家が注目しているからだと言えるでしょう。
具体的に、なぜそこまで株価が落ちなかったのかは分かりませんが、恐らく3月26日の株主総会を期待しており、それまで保有していようという投資家が多かったのではないかと考えられます。
この口コミにもあるように、問題が解決に向かっていく中で好材料が1つでも出てくれば、株価は一気に上昇するのではないでしょうか?
不祥事株を買うのはアリ?ナシ?
TATERU(タテル)は一度不祥事が起きてしまった企業であり、株価もチャートを見た通り不祥事発覚後は急落しています。
しかし、現在は底値近いということもあり、注目している投資家の方も多いのではないでしょうか?
問題が収束に向かいつつある今、TATERU(タテル)の株を買うのはアリなのか、それともナシなのか、解説していきましょう。
不祥事株を買うのはアリ?ナシ?
TATERU(タテル)のように上場企業で不祥事が発覚し、問題となった場合、株価が大きく下落してしまうケースはよくあります。
TATERU(タテル)とは問題の本質が違いますが、直近ではレオパレス21などもそうです。
レオパレス21は、2018年5月に放送されたTV番組において建築基準法違反に該当する物件が存在することが明らかになったことから、放送終了後に緊急会見を開き、約10,000軒以上の不備物件の調査や補修工事を行うことを発表しました。
しかし、同番組のさらなる追跡取材で、物件調査を行うと言っていたにも関わらず、8ヶ月経っても何も連絡がなく謝罪すらないというオーナーからの怒りの声が放送されてしまい、放送後の株価は500円台から199円の安値にまで落ちてしまったのです。
不祥事が発覚することで株価は一気に急落しましたが、投資家にとって不祥事発覚は売りのタイミングでもあり、逆に買いのタイミングにもなり得る場面となります。
どういうことかというと、まずは売り注文が殺到し、株価はどんどん急落していきます。
ただ、この時の不祥事が企業にとって倒産する可能性が低ければ一時的に株価が下がっただけで、問題が解決し収束に迎えば自然と上昇していくものです。
これは株価のリバウンドを狙った方法になります。
ただし、企業が上場廃止に至ってしまうほどの痛手を負ってしまえば、せっかく底値で買った株式もただの紙屑になってしまうでしょう。
不祥事株を購入するのはアリですが、その不祥事が致命傷になるかならないかはしっかりと見極める必要があります。
不祥事株の実例
不祥事株の購入は銘柄を見極めることが大切で、全ての不祥事株が元の株価に戻っていたわけではありません。
ただ、その中にも株価が以前より上昇し、高値を掴んだという銘柄は少なくないのです。
続いてはそんな実例をご紹介しましょう。
マクドナルドの事例(期限切れの食材利用・異物混入など)
大手ファストフードチェーン店として知られる日本マクドナルドは、これまで期限切れの鶏肉を使っていたり、異物混入が相次いだりするなど、問題が次々と発覚し株価も2008年には1,291円の安値を記録しています。
しばらく株価は2000円台を推移していましたが、徐々に株価が上昇し、2018年には6,030円の高値を出しました。
2008年に底値付近で購入した方がもしも長期的にマクドナルド株を保有していた場合、約4.7倍のリターンになっているのです。
飲食店にとって期限切れの食材を使用したり、異物が混入していたりすればお店を畳まなくてはならないほどのピンチだと思いますが、大手チェーン店でもあったマクドナルドは建て直しに成功し、株価も引き上げられたと言えます。
その企業の本質を見極めることができれば不祥事が発覚してからの底値付近で購入することで、後に大きなリターンが待っている可能性もあるのです。
もちろん、全ての銘柄がそうではありませんが、将来性が高い企業であればチャンスはあるでしょう。
本来、TATERU(タテル)のビジネスモデルは秀逸で、今でも期待する声はありますので、今後株価が上昇することもあり得るでしょう。