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2018年以降の不動産投資の市況変化と投資家の対応

【本記事においてはアフィリエイトやその他の収益を目的として、試供品または取材費をいただいて記事を掲載しています】


金融機関による不動産不正融資問題に端を発して、不動産投資への融資状況は厳しくなっています。
不動産融資の審査は、今後もますます通りにくくなると考えられます。
不動産投資における融資環境が激変している今、不動産投資家は何をすべきなのでしょうか?

不動産投資に対する融資環境の変化

不動産投資に関連した金融業界に変化が起き始めた時期は2018年です。
2018年9月に、金融庁は不動産投資に対する融資について実態調査を行う事を発表しました。
その直後の10月には、不動産融資の6ヶ月停止の処分を受けた金融機関もあります。
今後も不動産融資への監視が強化されると見込まれ、不動産投資の世界も大きく変わりつつあります。
過剰融資の実態が明らかになり、金融機関は不動産投資に対する融資に対して消極的な姿勢となっています。
特に、個人投資家向けの融資に厳しさがみられ、2018年の新規貸出額は前年比で16.4%も減少しています。
2年連続で減少しており、日銀が大規模な緩和政策をスタートさせる前の12年以来の少なさとなりました。

不動産投資の市場変化

一般的に景気や市場は好況期と不況期が繰り返し訪れるものです。
10年前、リーマンショックに端を発して世界市場は不況の嵐に見舞われました。
当時上場したばかりの不動産会社も、その数多くが縮小あるいは倒産を余儀なくされました。
金融機関による貸し渋りや貸しはがしがトレンドワードになった時代です。
あれから10年が過ぎ、現在の景気はアベノミクスに主導され好転していると言われています。
不動産市場も好況期と言えるものの、ピークはやや過ぎていると考えられます。
リーマンショック後に暴落した不動産価格と比較すれば、当然ながら割高感があるものの、現在の不動産価格は下降傾向にあると考えて良いでしょう。
不動産市況についてはピークを過ぎた以上、今後の市況としては不況に向かうと考えられます。
ただし、不況に向かう時期がいつなのか、不況の底へのスピードが緩やかか急激かなどの判断は、大変読みにくいという点は否めません。
また、一般的に不動産価格は金融機関の融資姿勢に影響を受けるものです。
基本的に、好況期には金融機関の融資姿勢は積極的になります。
融資姿勢が積極的であれば、不動産価格は上昇します。
逆に、不況期には金融機関の融資姿勢は消極的になるものです。
融資姿勢が消極的だと、不動産価格は下降することになります。
不動産投資の市場変化が金融機関の融資姿勢に影響される以上、金融機関の状況を見極めることが大切となります。
景気は上向きなものの、不正融資問題により金融機関が不動産融資に消極的になっている状況の中、不動産投資の市場は非常に複雑化していると言えるでしょう。

厳しい状況を活用する

複雑化している不動産投資の市場は、2極化が進んできた状態であると言えます。
金融機関は、不動産投資に対して積極的に融資を行う金融機関と、融資に消極的な金融機関の2極化が明確になってきました。
投資家についても、順調に投資不動産を購入している人と、購入に行き詰ってしまう人が見られるようになっています。
2018年以降の不動産投資に対する融資環境の変化をきっかけに、不動産市場の2極化は今後もますます進んでいくでしょう。
実際に、新規金融機関との取引が難しくなる中で、取引が既にあり財務内容が良好な投資家に対する融資は継続的に行われています。
不動産投資に新規参入するハードルが高くなっている反面、既に不動産投資を行っている人や業界のステークホルダーにとっては有利な状況が形成されていると考えられます。

もちろん、新規の金融機関との取引については難しくなっている部分はあります。
それでも融資交渉のコツを掴んでおくと、スムーズに話が進むものです。
まず、金融機関では支店によって融資姿勢が異なります。
同じ金融機関でも、支店長の考え方で融資姿勢が変わってくるからです。
地道に支店を訪問する、あるいは投資家仲間から情報を集めるなどの行動が融資承認につながります。
不動産投資で融資交渉に成功している人は、積極的に行動しています。
融資の組み立てを考え、期限を設定するなど、目標を定めた行動により融資承認を掴んでいます。
金融機関が全体的に不動産融資に消極的になっているとはいえ、全ての金融機関が融資をしないわけではありません。
厳しい状況の中でも、融資を取り付けている不動産投資家はたくさんいるのです。

不動産投資の市場は難しい局面を迎えています。
しかし逆境を上手に活用して、有利に資産を形成できるチャンスでもあります。
まず、融資が限られることは参入できる投資家が減ることを意味します。
つまり、競争相手が少なくなることで割高だった投資不動産の価格が下がることが見込まれます。
また、都心マンションについては価格が下がりにくいと予想されるものの、物件の資産価値と収益性、投資家の資産や所得などの信用力が融資審査で重視されることに変わりはありません。
その点で、都心マンションへの投資では投資家の信用力により融資が通ると考えられます。
今後の推移も順調であると判断して良いでしょう。

2018年の不正問題を機に、不動産投資の市況は大きく変化しました。
家賃そのものが変わるわけではない以上、投資不動産の獲得競争が沈静化したことが既存の不動産投資家への追い風になるという見方もできます。
既に不動産投資を行っている人、ステークホルダーにとって2018年以降の変化は、より旨みを享受できる方向への転換点となったと言えるでしょう。