不動産投資を数年前から行っている人からすると、現在までに金融機関からの融資状況が大きく変わってきていることを感じていることでしょう。
東京オリンピックが2020年に開催されることが決定してからというもの、東京都心部やその近郊の不動産価値が上昇し続けています。
さらに、アパートなどの賃貸物件も増えていたのですが、2018年の初め頃から少しずつそのような動きにも陰りが見え始めてきました。
アパートなどの賃貸物件が増加しにくくなっているのは、融資トレンドが影響していることが考えられています。
数年前から不動産投資を行ってきた方であれば、より融資を受ける審査が厳しくなっていることが分かるのではないでしょうか?
今回は、不動産融資の現状やその実態、さらには不動産投資でアパート経営を行っていくために必要なポイントについてをご紹介していきましょう。
不動産投資家が感じている融資環境の変化
ある不動産投資サイトが行ったアンケートを見てみると、今後の不動産価格に対する不安や融資状況についての変化が見て取れました。
まずは、今後の不動産価格に対しての不安ですが、1年後には不動産価格は上昇しているか、横ばいとなるか、下落するかという項目では、横ばいとなると回答した人は全体の約5割、下落すると回答したのは約3割、上昇すると回答したのは約2割しかいませんでした。
ここで下落すると回答した理由としては、銀行の融資が厳しくなっていることが挙げられているのです。
銀行の融資が受けられないと、不動産投資を行うことは難しくなるでしょう。
さらには、融資を受けられたとしても融資額が希望する金額よりも低く、結果的に物件購入することができなかったり、悪い条件での融資を受けることになってしまうことが考えられます。
融資状況が厳しくなったと感じるかという項目には、約半数もの人が厳しくなったと感じていることが分かります。
2017年からその変化を感じている人も多いようで、2018年にはそれが顕著に表れているのです。
融資額が減少傾向にある?不正融資問題でさらなる追い打ち
融資額は2017年頃から減少傾向にあると言われているのですが、日銀が2017年に発表した近年のアパートローンの新規融資額の減少率を表したグラフがあります。
それを見ると、2017年の1~3月期、4~6月期までは減少率は0.2%以下となっていたのに対して、2017年7月~9月期には減少率が20.5%にも上昇していたのです。
このことから、2017年7月から融資額は減少傾向にあったことが考えられます。
融資額が減少している傾向にある時に、不正融資問題が社会的に大きく問題となりました。
不正融資を受ける際の実例としては、源泉徴収票を改竄する方法で自らの収入を多く表記し、改竄していたようです。
源泉徴収票のフォーマットはインターネット上でダウンロードすることが可能となっているので、誰にでも源泉徴収票を改竄することができるとも言えるでしょう。
しかし、本来の収入よりも多く表記し、通常であれば受けられない金額の融資を受けているため、返済が困難となってしまうことは明白です。
このことから、金融機関としても慎重にならざるを得ない状況となっていることが考えられます。
融資額が減少傾向にあるだけでなく、審査も厳しくなってきていることから、今後さらなる不動産投資を検討している方でも融資を受けにくい状況となる可能性があります。
融資を受けて不動産投資を拡充させるポイント
現状の不動産投資よりもさらに物件を購入して自己資産を拡充させようと考えている方も少なくありません。
しかし、不動産投資が軌道に乗っていない場合でのさらなる融資となると受けられない可能性も出てきてしまいます。
不動産投資を軌道に乗せるための融資であっても難しくなってしまうでしょう。
そこで、融資を受けやすくなるポイントをご紹介していきたいと思います。
ポイント1:収益率の高い立地であるか、融資評価が高い立地かどうか
不動産投資の収益率は、その土地の立地条件によって大きく変動します。
立地条件が悪ければ、いくら良いアパートを建てたとしても入居希望者は少ないでしょう。
築年数がある程度経過していたとしても立地条件さえ良ければ高い入居率で収益率の高い立地であると言えます。
空室にならず満室経営が実現しやすいことで、家賃収入も安定しやすく、借入の返済も滞りなく行えることが期待できることから、融資評価も自然と高くなりやすくなるでしょう。
ポイント2:返済の確実性が重要
融資を受ける際には、必ず不動産物件の品質や収益率だけでなく、借主の属性からも判断されています。
借主の属性とは、収入や資産、借入状況などを加味したものとなります。
属性を良くすることは難しいですが、嘘をついてしまうと信用をなくしてしまい、今後の融資がさらに受けにくくなってしまうので注意しておきましょう。
不動産投資に関わる融資は、年々厳しくなっている現状が分かりました。
実際に新規の融資額も減少していたり、審査が厳しくなっていたりするため、不動産投資を拡充する際にも注意が必要です。
不動産投資での実績が評価されれば融資は受けやすくなるので、赤字とならない経営を目指しましょう。