今回は、東亜産業から発売されたウイルスシャットアウトについてご紹介します。
そもそも東亜産業って何!?という方はこちらの記事で詳しく紹介しておりますので宜しければご覧ください!衛生用品だけでなく、タピオカなども売っています!
2020年の開始早々、日本でも新型コロナウイルスが大流行しました。
新しい感染症の脅威から危険意識が高まり、マスクだけでは不安で除菌や抗菌といった商品に興味を持った方は多いのではないでしょうか?
ウイルスシャットアウトは現在販売が終了している製品ですが、コロナが流行る以前から話題となっている除菌グッズです。
しかし、具体的にどのような商品なのか、使い方や注意点などを詳しく知らない方は多いでしょう。
また、2020年8月に、ウイルスシャットアウトは消費者庁から措置命令を受けました。
ただ、イマイチ双方の主張が異なるようです。
今回は、そんなウイルスシャットアウトの特徴や注意点、消費者庁からの措置命令の真相を調べてみました!
目次
ウイルスシャットアウトとはどのような製品なのか?
まずは東亜産業が製造・販売していた、ウイルスシャットアウトの商品概要からご紹介しましょう。
空間・室内除菌ができる製品
ウイルスシャットアウトは、空間や室内の除菌を促す衛生商品です。
本体は
「横幅約4.8×直径約0.3×高さ約7.2cm」
と非常にコンパクトサイズの製品となっています。
製品はブルーの色で統一された落ち着きのあるデザインが特徴的です。
使う場所や条件によって有効期限は異なりますが、約30日間は空間・室内の除菌効果が持続するといいます。
ウイルスシャットアウトの使い方
ウイルスシャットアウトの使い方はとても簡単です。
付属のネックレスストラップを使い、首にかけるだけで空気中に浮遊するウイルスや菌を除去してくれます。
首にかけるだけではなく部屋の壁などに吊るしたり、カバンに付けたりする使い方も可能です。
自宅はもちろん、人が密集するオフィスでも利用しやすいでしょう。
ウイルスシャットアウトは亜塩素酸ナトリウムを配合
シャットアウトがウイルスや菌を除去できる理由は、二酸化塩素を発生させているからです。
製品には亜塩素酸ナトリウムと天然ゼオライトを配合した、二酸化塩素発生剤が含まれています。
二酸化塩素は酸化作用を持っているので、ウイルスや菌をたんぱく質に変化させる性質を持ちます。
その効果からウイルスの除去や除菌、消臭で使用されているのです。
元々食品添加物に分類される成分なので、人体への悪影響を与えるリスクは低いとされています。
空間除菌・室内除菌の効果範囲
みなさんもここが気になるところだと思います。
ウイルスシャットアウトの効果範囲はあまり広くなく、身に付けた首周辺と言えるでしょう。
サイズ的に見ても二酸化塩素は室内全体に充満して発生するとは考えにくいので、あくまでも製品の周辺と言えます。
そのため、自分の周りに浮遊するウイルスや菌を除菌し、脅威から守ってくれそうな製品だと考えておきましょう。
次亜塩素酸ナトリウムの効果とは?
新型コロナウイルスの流行でアルコールの入手が困難になったことで、次亜塩素酸ナトリウムが注目されるようになりました。
次亜塩素酸ナトリウムとは別に次亜塩素酸水というものもありますが、詳しく知らない人達の間で混同されているようです。
ここからは、次亜塩素酸ナトリウムと次亜塩素酸水の違いを解説していきます。
次亜塩素酸ナトリウム
次亜塩素酸ナトリウムは、ハイターなど塩素系漂白剤などを希釈したものです。
強いアルカリ性の性質を持つので、ウイルスや菌の消毒として使われることが多いです。
厚生労働省では、食器や手すり、ドアノブなどの消毒に適していることを発表しています。
ハイターなどの漂白剤を水で薄めるだけで作れるので、家庭でも使いやすいところがメリットでしょう。
しかし、酸性のものと混じってしまうと有毒ガスを発生させ、目に入れば失明の恐れもあるので扱いには注意が必要です。
消毒に有効とは言え、手や指の消毒など人体への使用は危険と言えます。
また、空間や室内の除菌として、霧吹きで散布も危険なのでやめましょう。
次亜塩素酸水について
次亜塩素酸水は、塩化ナトリウム水溶液を電気分解し、作っている液体のことです。
こちらも消毒目的で利用でき、スマホ画面やテーブル、キッチン周りなど身の回りの消毒に使われています。
ちなみに、ハイターなどを使って次亜塩素酸水を作ることはできないので、全くの別物と考えましょう。
次亜塩素酸水も食品添加物で人体の悪影響は低いとされていますが、安全性の根拠はまだ少ない現状です。
加湿器などを使って散布させ、大量に吸ってしまうと人体に悪影響を及ぼす可能性が高いのでこちらも扱いに注意が必要です。
また、現時点で新型コロナウイルスへの効果ははっきりと分かっていません。
ちなみに東亜産業のウイルスシャットアウトは、次亜塩素酸ナトリウムではなく亜塩素酸ナトリウムが使われており、こちらも別の成分なのでご注意ください。
ウイルスシャットアウトの効果や注意点
ウイルスシャットアウトを使うにあたり、いくつか確認が必要な注意点があります。
コロナへの効果は現状不明!
ウイルスシャットアウトは二酸化塩素の効果でウイルスや菌の除菌効果があります。
そうなると、新型コロナウイルスへの効果にも期待する方は多いでしょう。
しかし、現時点ではウイルスシャットアウトのコロナへの効果は、はっきりと分かっていない状況なので、有効だとは断言できません。
通販サイトでは、新型コロナウイルスに有効と謳って販売されていることがありますが、東亜産業は公式サイトで誤解を招くコピーや広告表示を控えるように注意喚起しています。
このことから、東亜産業もウイルスシャットアウトが新型コロナウイルスに有効だと表明はしていないことが分かります。
コピー品が出回っている
ウイルスシャットアウト自体はすでに生産と販売が終了しているので、公式で買うことはできません。
現在は通販サイトで販売されていますが、届いたものがコピー品の可能性もあります。
その事態を受け、東亜産業も公式サイトでコピー品が出回っていることを注意喚起しています。
コピー品は本来の効果が発揮されなかったり、体に悪影響を与えたりする可能性もあるので購入の際はレビューなどを確認して購入した方が良いでしょう。
しかし、もう生産していないのは残念ですね。
風通しの良い場所だと効果がない
ウイルスシャットアウトが最も効果を発揮する場面は密室空間です。
当然、風通しが良い場所だと発生した二酸化塩素が空気中に流れてしまい、身の回りの除菌効果が薄れてしまう恐れがあります。
そのため、屋外や換気中の室内には、本来の効果が発揮されない可能性があるでしょう。
消費者庁からの指導はあったのか?
消費者庁は、携帯型の空間除菌用品を販売した5社に対し、優良誤認表示の恐れがあるという理由から再発防止指導を行ったようです。
参考:https://www.watch.impress.co.jp/docs/news/1252864.html
ウイルスシャットアウトはその一つなのでしょうか?
調べてみましたが、ウイルスシャットアウトのような製品は多く市場に出回っており、実際にどの製品が対象になっていたのかは明確に書かれておりませんでした。
Twitterなどでは、東亜産業の製品だと決めつけている方もいらっしゃいましたが、確かにウイルスシャットアウトは首にかけるタイプでは有名な商品なので、そう受け取るのも仕方ないのかもしれないですね。
また、続報があり次第、更新していきます!
【最新】消費者庁から措置命令!その真相とは?
先程の行政指導とは関連性がないかもしれませんが、消費者庁からウイルスシャットアウトが措置命令を受けたようです。
画像引用元:東亜産業|製品紹介
ただ、私は消費者庁側の主張がよく理解できません。
消費者庁は、①と②で発生するClO2(二酸化塩素)は化学上異なる物質と断言しているようですが、、、本当なのでしょうか?
①でも②でも同じ化学構造の二酸化塩素という気体が発生しているのであれば、それを化学上異なる物質と主張するのは「???」です。
それがまかり通るなら、他の会社はどのように証明しているのでしょう…?
ひょっとして消費者庁は会社によって、基準を厳しくするか判断しているのかなという印象さえ抱きました。(あってはならないですが)
ちなみに、先述したように、消費者庁は5月、5社に対し、優良誤認表示の恐れから再発防止の指導も行ってますが、「身につけるだけで空間除菌」はコピー品も含めると多くの会社で製造していると思います。
その中でなぜ5社なのか?その他の会社は正しく表記できていたのか?
その点も曖昧です。
私達は結局、携帯の空間除菌用品は全て効果がないと判断していいのでしょうか?
空間除菌の話題については、私のように、正しく判断できていない人が多いように感じます。
それ故、Twitterを始めとした様々な情報(この製品は良い、悪いなど)に簡単に踊らされるんですね。
ハンドジェルの効果や注意点
東亜産業ではハンドジェルも販売しています。
新型コロナウイルスはアルコールに弱いことがわかり、マスクや消毒薬と共にハンドジェルも売れました。
そこで気になるのが、ハンドジェルもコロナに有効であるかどうかです。
ウイルスへの効果は?
ハンドジェルと言うと、医薬部外品と考える人が多いでしょう。
一般的に市場へ流通する商品の中には、エタノールや界面活性剤の成分を含む医薬部外品や雑貨もあります。
北里大学での研究によれば、市販のエタノール配合の製品でも新型コロナウイルスの不活化の有効の可能性ありという見解を明らかにしています。
しかし、今回検証の対象とした製品は有効性が期待されるものであり、東亜産業のハンドジェルは不活化の対象となっていません。
元々、東亜産業はハンドジェルと医薬部外品ではなく、化粧品で商品登録しています。
そのため、一定の衛生効果は期待できますが医薬部外品レベルの除菌などの効果は少ないと考えられます。
東亜産業も「新型コロナウイルスに対する効果がある」という表示は行っておらず、パッケージやPOPに殺菌や消毒の文言を使わないように注意を呼び掛けています。
コロナへの有効性は不確実であることを理解し、使いたい方は洗浄タイプや水なしで使えるタイプ、携帯タイプがあるので使ってみてください。
ただ、ハンドジェルのエタノール濃度は56-59%で手荒れしにくい商品です。
また、濃度が56-59%ですので、今後研究が進めば、ウイルス不活性の有効も証明されるかもしれませんね。
ウイルスシャットアウト・ハンドジェルのまとめ
今回は東亜産業のウイルスシャットアウトとハンドジェルについてご紹介しました。
ウイルスシャットアウトは二酸化塩素の効果により、空間や室内の除菌に効果があると期待されます。
しかし、ウイルスシャットアウトをはじめ、亜塩素酸ナトリウムや次亜塩素酸水、ハンドジェルが新型コロナウイルスに有効かどうかは、まだ確信がない状況です。
東亜産業も自社の衛生製品に関しては、コロナに有効であることを示していません。
今はコロナの影響でマスクだけでは不安と感じ、新型コロナウイルスに効果があると聞いてしまうと、導入したくなるのも無理はありません。
しかし、実際は効果がなかったり、間違った使い方によって人体に有害であったりするリスクがあります。
そのため、通販サイトで「新型コロナウイルスに効果あり」などを謳う広告表示があっても、過信しないようにしましょう。
また、ウイルスシャットアウトはすでに販売が終了し、通販サイトではコピー品が出回っているので購入を検討している方はよく注意してください。