株式や国債に比べて利回りが良いと注目される不動産投資ですが、失敗される方も少なくありません。
失敗談を聞いていると、不動産投資が上手くいかない人はいくつか共通点が見られました。
現在、不動産投資が不調という方は失敗しやすい人の特徴を理解し、対策を講じる必要があります。
収入に対する認識が甘い
不動産投資の失敗談でよく挙げられるのは、利回りの良し悪しです。
不動産の利回りは年間賃料を物件価格で割ることにより算出できますが、実際の入居者の数や必要な諸経費は配慮されていない、「表面利回り」となります。
物件情報に記載された利回りが良くても、入居者の数やかかった諸経費、家賃などに応じて利回りの状況は大きく変わってきます。
実質利回りを想定せずに不動産を購入したことが、失敗の原因となります。
他にも家賃の下落、礼金と更新料の扱いなど、収入面に関する知識が乏しかったり、認識が甘かったりすると失敗しやすいです。
立地条件の悪さ
不動産投資の失敗は物件選びにあるので、失敗している人は現地調査が不足していた可能性があります。
不動産においてエリアは絶対的な価値を持っています。
室内の使用や設備はリフォームやリノベーションで改善できますが、建物の立地は変更することはできません。
アパートやマンションの需要がない場所を選んだ場合、長期的に空室が続く可能性があるでしょう。
住民の傾向やエリアの特徴を踏まえた上で、投資に有利な立地であるか検討することが空室のリスクを減らすことにつながります。
今後、人々が住みやすい街や地域に成長する見込みがあれば、不動産投資も有利に運びます。
例えば、人口が増える可能性があるのか、大きな開発が予定されている、教育機関が移転される、競合物件が増えていく予定、駅や繁華街と近い、自然災害に対するリスクなども調べておくことが大切です。
賃貸の需要
上記とも関わりがありますが、賃貸不動産の需要はエリアによって大きく異なります。
都市部と地方を比べた場合、人口の数を考えれば都市部の方が賃貸不動産の需要は高いでしょう。
しかし、同じ都市部でも路線や駅、急行の停車駅かどうかで需要は変化します。
不動産投資を行う人の多くは慣れた土地や自分が暮らしたことがある土地を選ぶ傾向がありますが、住みたい街と不動産に適した街が一緒とは限りません。
本当に需要があるのか分析した上で、賃貸不動産が必要だと思うエリアを選定していく必要があります。
管理会社や不動産投資会社に任せきり
不動産投資では運営・管理を管理会社や不動産投資会社に任せる方が多いでしょう。
管理と運営をプロに委託すれば、本業で忙しい人も気軽に不動産投資に手を出せます。
何より、プロだから安心という意識を強く持ってしまいがちです。
しかし、不動産投資では任せきりな状態が、失敗の原因になっている可能性があります。
不動産投資でも正確な知識と現地調査が必要であり、リターンに目が眩んでいる人は必要なことができていない傾向にあります。
この投資は他の種類に比べてビジネス要素が強いので、自ら利益や損失の分析、空室率を上げないためのマーケティングをしなければなりません。
入居者からクレームが多かったり、職員同士で連携が取れていなかったりする管理会社であれば、運営体制が良いとは言えないので早めに切り替えた方が良いでしょう。
定期的に連絡や報告をしてくれるなど、オーナーと担当や、そして入居者とのつながりがしっかりある管理会社が理想的です。
なかなか入居者が増えない、礼金や更新料が全て管理会社に渡っていて収入が増えない場合は、管理会社を変えてみるのも一つの改善策となります。
既存の賃貸不動産で成功するには?
すでに投資用の物件を運営している場合、運営状況を簡単に良くすることはできません。
特に立地条件の悪さは現実的に改善することができません。
しかし、少し工夫すれば利回りが悪い不動産でも、利回りが改善される可能性があります。
付加価値の低い不動産や立地条件が悪い不動産は、リフォームやリノベーションをすることで新しい付加価値を加えることが可能です。
入居者の多くは立地以外に綺麗で住みやすい空間、設備の充実度を優先する傾向があります。
同じ築年数の不動産でも見た目や住み心地の良さが、入居の決断につながることも多いです。
不動産の付加価値が上がれば多少家賃を上げても問題ないので、エリア相場よりも高くなれば利回りは良くなります。
また、リフォームやリノベーションでより住みやすくなったことをアピールポイントにすれば、入居者の増加にもつながるでしょう。
売却して新しい不動産に投資する手段もありますが、売却せずに運用を続けたい場合はリフォームとリノベーションを検討してみてください。
不動産投資は入居者がいれば永久的に家賃収入が得られる魅力的な投資です。
しかし、不動産の付加価値や立地条件などが収入の増減に大きく関わるので、無知の状態で行うのは大きなリスクを背負うことになります。
失敗しやすい人はいくつか特徴があるので、自分が当てはまっていないか確認し、利回りや入居率を改善するための策を立てましょう。