不動産投資をしている中で、自分自身で管理会社を立ち上げようと考えるケースがあります。
管理会社を立ち上げるということは、法人を設立するということです。
しかし、会社はただ立ち上げるだけではなく、事業を行っているということを明確にしなければいけません。
今回はそのようなポイントを前提に、アパート経営の会社を立ち上げるメリットとデメリットについてご紹介しましょう。
目次
■アパート経営の会社を立ち上げるメリット
まずは、アパート経営の会社を立ち上げるメリットから見ていきましょう。
【法人化することで節税ができる】
個人事業主が得た所得に対して課せられる所得税は、法人に対して課せられる所得税よりも割高になっています。
所得税の計算の仕方は、給与所得や不動産所得などを合算するため、個人差はあります。
しかし、個人事業主の場合は所得税が40%以上になるというケースも少なくないのです。
それに対して法人の場合は、15%~23%くらいの法人税が課せられることになるので、節税対策としては効果的だと言えるでしょう。
所得税だけではなく、相続税の節税対策としても有効です。
個人の資産を法人にも分散させられるからです。
つまり、アパート経営の会社を立ち上げることで節税対策の効果は大きいということになります。
【給与所得を利用すれば課税対象額を少なくできる】
アパート経営の会社を立ち上げ、家族に給与を支払うようになると、課税対象額を少なくできるというメリットもあります。
給与は、1人あたり1年間で150万円~200万円の支払いをするため、課税対象額を大幅に少なくできるのです。
これも、投資をする際の大きなメリットになると言えます。
アパート経営の会社を立ち上げることによって、このようなメリットを感じることができます。
アパート経営で効率よく収益を得るためには、法人化することを視野に入れてみるのも良いでしょう。
■アパート経営の会社を立ち上げるデメリット
続いては、アパート経営の会社を立ち上げるデメリットについて見ていきましょう。
【赤字の場合でも税金を支払わなければいけない】
個人事業主としてアパート経営をしている場合は、赤字になってしまったら税金を支払う必要がありません。
しかし、法人になると赤字だった場合でも年間7万円の法人税を支払わなければいけないのです。
税金の支払いが個人事業主の時とは違うということを頭に入れておきましょう。
【設立費用による出費が発生する】
アパート経営の会社として株式会社を立ち上げるのであれば、およそ25万円の設立費用がかかります。
それにプラスして印鑑代もかかってしまうため、30万円ほどの設立費用がかかると思っておいた方が良いということになります。
そのため、法人化を検討しているのであれば、設立費用を用意しておかなければいけないのです。
【社会保険への加入や税理士との契約で諸経費が発生する】
アパート経営の会社を立ち上げると、社会保険へ加入しなければいけません。
また、税理士との顧問契約も必要になるでしょう。
社員の社会保険費用に支払いは必ずしなければいけないものです。
法人になると会計も素人では難しくなるので、税理士との顧問契約をするケースがほとんどです。
顧問税理士と契約することによって、確定申告をしてもらうこともできます。
ただし、それらにも経費がかかるということを覚えておかなければいけません。
【税務署から目をつけられてしまう可能性がある】
不動産投資をしている投資家が節税するためだけに、会社を立ち上げるというケースもあります。
そのようなケースは、税務署に目をつけられてしまう可能性があるのです。
なぜかというと、帳簿を確認された時に、実態がない管理会社だと思われてしまうからです。
それは、脱税行為としてみなされてしまうので、気を付けなければいけません。
そのため、とりあえず会社を立ち上げておこうという安易な気持ちで行動を起こすのではなく、きちんと運営ができるように準備をしてから会社を立ち上げた方が良いでしょう。
きちんと運営されているという実態があれば、税務署から目をつけられることもないので、準備を怠らないということはとても重要なのです。
アパート経営の会社を立ち上げるデメリットには、このようなものが挙げられます。
法人化を検討している方は、このようなポイントに気を付けるようにしましょう。
自分自身で管理会社を立ち上げようと考える方も少なくありませんが、このようなメリットやデメリットがあるということを覚えておかなければ、失敗してしまう可能性もあります。
アパート経営の会社を立ち上げ、経営を軌道に乗せていくためには、ただ節税効果のために立ち上げるのではなく、きちんと運営を行うようにしましょう。
そうしなければ、税務署に目をつけられてしまい、脱税行為だとみなされてしまう可能性もあります。
そうならないためにも、会社としての実体をはっきりさせておく必要があるということになるでしょう。