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TATERU(タテル)の株価はいつ上がるのか考察してみた

【本記事においてはアフィリエイトやその他の収益を目的として、試供品または取材費をいただいて記事を掲載しています】


TATERU(タテル)は2018年8月末にデータ改ざん問題が発覚してから株価が下落していき、2019年8月7日の終値は169円となっています。

では、今後TATERU(タテル)の株価はいつ上昇トレンドに入るのでしょうか?
今回はTATERU(タテル)株が上昇するタイミングについて考察していきます。
様々な視点から考察していくので、TATERU(タテル)株の動向が気になっている方はぜひ参考にしてみてください。

日経平均が急落!TATERU(タテル)株にも悪影響が…

まずは日経平均の急落によって、TATERU(タテル)株にも悪影響が及んでしまった点から解説していきましょう。

8月初頭に突然の円高、日経平均は急落

8月5日の東京外国為替市場にて、一時1ドル=105円台という円高ドル安の状態になりました。

参考:円急騰、一時105円台 政府・日銀が緊急会合

1月上旬以来の約7ヶ月ぶりに高水準まで上昇しているのですが、代わりに日経平均株価は急落し、午後の取引開始時には下げ幅が500円以上にも及んでいます。
そもそも円高の影響で日経平均株価に影響が出てしまうのは、日本製品が海外で売れなくなることで販売シェアの低下につながり、企業の成長戦略・海外進出に大きな影響を与えてしまうためです。
また、海外に進出しサービスを展開する企業は基本的にドルを使用していますが、円高が進んでしまうとドル資産を円に換算した時に少なくなり、為替差損が発生してしまいます。
特に海外輸出をメインにしている企業は業績に影響が出るのではないかと投資家も予測し、株式をあらかじめ売却してしまうのです。
当面は円高傾向が続くだろうと予測されており、実際に8月7日時点の日経平均株価は4日連続で下落しています。

参考:東証大引け 4日続落、2カ月ぶり安値 米中対立や円高進行が重荷

なぜ円高が続いているのか?

現在まで円高の状態が続いているのは、「トランプショック」が要因だと言われています。
アメリカ・トランプ大統領が8月1日に対中制裁関税として中国からの輸入品3,000億ドル(日本円で約33兆円)に対し、9月1日から10%の関税をかけることを発表しました。

参考:米国、中国製品3000億ドル相当に10%追加関税発動へ 協議進展なく

これまでも対中制裁関税は行われてきていましたが、6月20日に開催されたG20大阪サミットでは米中首脳会談を実施すると約束しており、7月31日には上海で米中貿易協議を行い、ホワイトハウスからも建設的な協議だったとポジティブな評価をしていました。
今後は米中関係も改善されていくのかと思った矢先、トランプ氏は突然満足できる協議ではなかったと発表し、制裁関税を宣言したのです。
中国側も激しく抗議したものの、特に受け入れられませんでした。
また、中国国内では制裁関税によって貿易戦争が激化する可能性が高いという動揺が広まってしまい、人民元対ドル相場が5日に1ドル7元台まで下落してしまいます。これほどの下落を見せたのは約11年ぶりです。
トランプ氏は対ドル相場の下落に対して、中国は為替操作国だとSNSに投稿し、財務省も中国は為替認定国だと認定したことを明らかにしたのです。
これらの出来事から、投資家達は米中関係がさらに悪化する可能性を示唆し、日本を含め世界的に株式が売られていきました。
また、為替市場では人民元対ドル相場よりもリスクを軽減できるとして、比較的安定している円を買い、円高が進んでいったのです。

TATERU(タテル)の株価への影響は?

株式市場は先程もご紹介したように、全体的に売り相場の状態が続いていますが、TATERU(タテル)の株価はどのような動向となっているのでしょうか?
TATERU(タテル)の株価をチェックしてみましょう。

6月27日に162円の安値を出したTATERU(タテル)株ですが、その後7月1日には終値197円にまで上昇し、翌日2日には231円の高値を出しています。
しかし、8月2日以降からトランプショックの影響で円高・日経平均株価の下落によってTATERU(タテル)株も売却(出来高1,628,300)されて株価は終値174円となりました。
8月6日には年初来安値となる156円を記録しています。
この動きはTATERU(タテル)だけでなく、上場する企業の多くがトランプショックによる円高の影響を受けています。

トランプショックは日経平均株価以外にも影響を与えた

トランプショックにより、電気機器や機械、自動車株など輸出製品が多い企業は特に大きな影響を受けてしまいました。
また、日経平均株価以外にもJPX日経インデックス400や東証株価指数のTOPIXも少なからず影響を受けていて、反落が見られます。
さらに、原油相場にまで影響を与えていました。
なぜトランプショックに原油相場が関係しているのかと言うと、追加関税によってアメリカ国内での個人消費にも影響が出てしまい、原油需要が冷え込んでしまうのではないかと考えられるためです。
逆にトランプショックの影響で価値が高まったものもあります。
それは、金です。
金は7月からジワジワと価格を上げて7月31日時点で5,423円の小売価格となっていましたが、8月7日時点で5,486円と約1週間で63円も価格が上昇していることが分かります。

参考:金価格推移(田中貴金属工業)

金は安定資産ということもあり、世界経済が不安定な時こそ価値を高めてくれるものです。
トランプショックで経済への懸念が広まったことで、金の買いが進んだと考えられます。

テンバガーを始め、短期売買を目的とした注文が発生し、株価が上がる可能性も

TATERU(タテル)の株価は現在160円台を推移していますが、1年前までは2,000円台を推移していました。
これほどまでに株価が下がってしまったのはなぜでしょう?
時系列順にTATERU(タテル)で起きた一連の流れと共に解説していきます。

データ改ざんが発覚

事の発端は2018年8月31日に日経新聞の電子版で、TATERU(タテル)によって口座の預金残高が書き換えられるというデータ改ざんが発覚しました。

参考:アパート融資資料改ざん、TATERUでも

TATERU(タテル)はすぐに事実だと認める文書を出しており、改ざんが他にも行われていないか引き続き調査を進めると発表しています。

参考:本日の一部報道について

この時、8月31日の時点でそれほど株価が下がっておらず8月31日の終値は1,606円でした。
しかし、週明け9月3日には400円近く下落して1,206円、続く4日以降も下落し、9月6日に時点で終値533円まで下落しています。

特別調査委員会の設置と再発防止策の発表

TATERU(タテル)は社内での調査を進めていくだけでなく、9月4日には第三者による特別調査委員会の設置を行うと発表がありました。
また、特別調査委員会での対策方法が提示されるのですが、その前に独自で調査をしていたTATERU(タテル)から再発防止策が発表されています。

 

参考:特別調査委員会の設置に関するお知らせ
参考:当社従業員による不適切行為に対する再発防止策に関するお知らせ

TATERU(タテル)自ら作り出した再発防止策が発表された9月14日の株価は終値363円でしたが、その後は少しずつ回復していき9月26日には854円の高値を記録しました。

特別調査委員会による調査結果

約3ヶ月にも及ぶ調査が終了し、12月27日に調査結果が発表されました。
調査結果の中ではコンプライアンスなどの問題点がいくつか浮上しており、これらがデータ改ざんにつながったと考察されています。
調査結果が明らかになったことで株価は上がるのではないかと思われましたが、市場全体で株価が暴落していたこともあり、特に株価が上がることもなく27日の終値は354円に留まっています。

関連子会社の売却発表

TATERU(タテル)はいくつか関連子会社を持っているのですが、その内の1社であるインベストオンラインの全株式をジャパンインベストメントアドバイザーに譲渡する内容の基本合意書を締結したという発表が3月18日に明らかとなりました。

参考:連結子会社の異動(株式譲渡)に関する基本合意書締結に関するお知らせ

関連子会社の売却によりキャッシュの増加も見込めたのですが、結果的にインベストオンラインは売却されずに契約合意が解除されています。
基本合意書の締結が発表された翌日19日には株価が大きく下落し、終値271円にまで下がってしまいました。

所有不動産の売却

TATERU(タテル)では東京の都心部や大阪、福岡、愛知などの地方都市に販売用不動産を所有していたのですが、これらの物件を売却する旨が4月5日に発表されています。

参考:販売用不動産の売却に関するお知らせ

所有不動産を売却したことで得られる売却価格は公表されていないものの、発表の中では“直前の連結会計年度(2018年12月期)における連結売上高の10%に相当する額以上”と明記されていました。
株価は発表があった4月5日と週明け8日に若干の上昇が見られたものの、すぐに下がって3月と変わらず横ばいの推移を見せていました。

行政処分の通達と業務停止処分後

関東地方整備局から突然TATERU(タテル)に対し、宅地建物取引業法に基づいた行政処分を行うと発表がありました。
6月21日には聴聞が開かれ、代表取締役と弁護士が関東整備局からの聴聞を受けることになりました。

参考:TATERUに業務停止命令へ 融資資料改ざんで国交省

この情報が出た翌6月18日は株価が急落し、終値188円にまで落ち込んでいます。
ただ、聴聞後の正式に通達された業務停止命令の内容は、7月12日~7月18日までの7日間、宅地建物取引業に関する業務全てが停止というものでした。

参考:宅地建物取引業法に基づく行政処分に関するお知らせ

多くの方が想定していたよりも短期間の処分となったため、業務停止命令が出された翌週7月1日の株価は終値197円まで上昇し、7月2日には高値で231円に上昇しています。

早期退職優遇制度の実施

7月5日に新たなIR情報として、早期退職優遇制度の実施に関する発表がありました。

参考:早期退職優遇制度の実施について

早期退職優遇制度では、TATERUをはじめ完全子会社のTABICT・Robot Home・TATERU Fundingに在籍している正社員を対象に、160名程の早期退職者を予定しています。
早期退職者には特別退職金の支給や再就職支援が提供されるなど、優遇措置が取られます。
優遇措置により特別損失が計上されてしまうものの、その分人件費の削減につながるでしょう。
早期退職優遇制度の実施に関する発表があった翌週7月8日は若干株価の上昇が見られたものの、それほど大きな変化にはなりませんでした。

現在の株価は?

7月から少しずつ下落してきた株価が8月6日に156円の安値を出しており、8月7日現在の終値は169円にまで上昇しています。
8月8日には中間決算が発表される予定なので、恐らく決算内容や新しい情報が発表された段階で株価の上昇も考えられるでしょう。

テンバガー・短期売買目的の投資家が集まる可能性

8月6日の時点で底値と言える安値を出しています。
株価が底値に近付くと、テンバガーや短期売買を狙う投資家が集まってきます。
その結果、マネーゲームに発展する可能性は非常に高い、もしくは既にマネーゲームになっているのではないかと考察できます。
具体的にどういった部分でマネーゲームが行われていると考えられるのでしょう?
5月27日にTATERU(タテル)の株価が一気に上昇し、281円の高値を記録しました。
売買高も約1280万株と前週末に比べて約10倍近い増加を見せたのです。
これは、5月14日に180円の安値を出したことで、テンバガー・短期売買狙いの投資家が集まり、自律反発を狙ってマネーゲームのような買いが集中したためだと考えられます。
そもそもマネーゲームは短期間で多くの利益を生み出すために行われる運用を指します。
今回の株価上昇もTATERU(タテル)側から新しい発表が来なかったにも関わらず、買いが集中しているのでマネーゲームの可能性が非常に高いです。
現在の株価は底値付近ということもあり、再びマネーゲームでTATERU(タテル)が利用されることも十分考えられるでしょう。

適正価格と比べるとやや低めなのでどこかのタイミングで上昇トレンドに入る見込み

今後、マネーゲームに利用されるかもしれないTATERU(タテル)ですが、マネーゲームとは関係なく企業の力で再び株価が上昇することはあるのでしょうか?
株価上昇のタイミングや経営再建についてまとめてみました。

PBRの値に比べると現在の株価が低すぎる

TATERU(タテル)のPBR値を見てみると、1倍を大きく割り切っています。
PBRは1株あたりの純資産よりも何倍の値段で株価が付けられているのかを見ることができる指標です。
PBR値が低いということは、その分株価が割安とされており、PBRが1倍だった場合は株価が底値に近いという目安にすることができます。
8月7日時点のTATERU(タテル)の株価が169円なのに対し、PBR基準の妥当株価は204円です。
つまり、現在の株価169円は割安であり、適正株価まで上昇する可能性が高いことを意味しています。
株価が上昇するタイミングですが、先程も伝えたように8月8日の決算後に好材料と判断されるような情報が提供されれば、最低でも適正な株価まで上がる可能性は高いと言えます。

TATERU(タテル)は今後経営再建できるのか?

2019年12月期第1四半期の決算では、販売用不動産の一括売却に係る損失額3,198百万円が売上総利益に計上されていることもあり、売上総利益は2,624百万円の赤字となっていました。

参考:2019年12月期 第1四半期決算説明資料

セグメントでもアパートメント事業は新規営業を停止していることから営業利益の赤字は続いており、営業利益は3,686百万円の赤字でした。
ここからTATERU(タテル)は経営を再建していくことは可能なのでしょうか?
現在、TATERU(タテル)が経営再建に向けて実施していることをまとめてみました。

経営陣の減給と一部役員の辞任

データ改ざんが発覚し特別調査委員会による正式な調査が完了すると、経営陣の減給と一部役員の辞任が発表されました。

参考:役員報酬の減額及び取締役の辞任に関するお知らせ

最も減額率が高かったのは代表取締役社長で、月額報酬の50%を6ヶ月間という内容でした。
経営陣の減給や一部役員が辞任したことで、人件費の削減につなげています。
ちなみに、TATERU(タテル)の株主構成を確認してみると最も多くの株式を持っているのは代表取締役社長でした。
代表取締役は同時にTATERU(タテル)の大株主でもあることから、自身の保有する株にも大きな影響を受けており、株価低下の影響を一番受けていると考えられます。
それでも月額報酬の50%減額を6ヶ月間実施するということで、会社経営に対する強い責任を感じ取れます。

株式配当の無配と株主優待の廃止

これまでTATERU(タテル)では株式配当と株主優待を実施していましたが、5月13日に2019年12月期における株式配当の無配と株式優待の廃止を正式に決定しました。

参考:2019 年 12 月期における配当予想の修正(無配)及び株主優待制度の廃止に関するお知らせ

株式配当は2018年12月期の時点で5円00銭でしたが、今期は0円00銭となります。
また、2018年12月期は3,000円分のクオカードが1単元(100株)以上保有している株主を対象に配られていましたが、廃止することになりました。
経営を立て直すためにも仕方ない選択だったと言えるでしょう。

新規営業の停止と顧客対応の優先

データ改ざんが行われていたアパートメント事業では、未だに新規営業は停止しており、既存のアパートオーナーへの対応を優先しています。
アパートオーナーへの対応を優先しているものの、対応に目処が立てば新規営業も再開されることも十分に考えられます。

早期退職優遇制度の実施

先程もご紹介しましたが、7月5日からTATERU(タテル)では早期退職優遇制度を実施しています。
早期退職優遇制度によって特別損失は計上されてしまうものの、継続的な販管費の削減につながります。
経営を立て直すきっかけにもなることでしょう。

販売用不動産の売却

販売用不動産の売却により、2018年12月期における連結売上高の約10%に相当する額以上のキャッシュが得られることになっています。
既に売買契約は締結しており、最終引き渡し日は8月16日を予定しています。
販売用不動産の売却は経営立て直しを目的に行っていると考えられるため、キャッシュが確保されれば経営立て直しの大きな一歩になると考えられるでしょう。

このように、TATERU(タテル)では現在様々な経営再建に向けた取り組みを実施しています。
アパートメント事業の新規営業が開始されれば、データ改ざん前の経営状態にも近付けることでしょう。